フェラーリ 360 スパイダー F1 リバース入らない時がある 診断・修理(クラッチ交換)
フェラーリ 360 スパイダー F1 リバース入らない時がある 診断・修理(クラッチ交換)になります。
お客様よりリバースに入らずバックできない時があるとのことで修理のご依頼をいただきました。
お車をお預かりしたあと、何度も試してみたものの症状は出ず、
テスタにて診断してもこれといった故障は検出されませんでした。
しかし、F1マチックの場合、クラッチが摩耗してくるとリバースに入らない症状が出るものがあるので、
テスタにてクラッチ残量を確認すると56%となっていました。(写真赤枠)
50%となるとまだ、半分くらいというイメージなのですが、60%でも交換が必要な状態のものもありますので、
お客様へクラッチ交換をおすすめさせていただき、承認いただきましたので部品を注文しました。
部品待ちの間もお預かりさせていただいておりましたので、
何度か試していると、リバースに入らない症状が頻発するタイミングもあり、
その日のコンディションによるという状態であることを確認することができました。
また部品待ちの間に、幌を動かす左右のシリンダーからのオイル漏れを確認しましたので、
シリンダーを取り外しオーバーホールをさせていただきました。
オーバーホール後はエア抜き作業を行い、オイル漏れも治り、スムーズな幌の開閉作動となりました。
クラッチ関連部品が揃いましたので、クラッチ交換作業を進めていきます。
クラッチ交換をするには、ミッションを取り外すのですが、
その為には、周辺のサブフレームやマフラーなどを取り外す必要がありますので、
順々に部品を取り外していき、ミッションを取り外すとクラッチが見えてきます。
エンジン側に取り付ける”フライホイール・クラッチカバー・クラッチプレート”
などのクラッチ関連部品を交換していきます。
クラッチプレートはツルツルという状態ではなかったのですが、
シングルプレートの2ペダルミッション(Vanquishなど)の場合、
この様な摩耗状態で不具合が出はじめますので、交換時期ということになります。
また、このタイミングでミッションのインプットシャフトを保持するための
パイロットベアリングも交換します。
次にミッション側に取り付ける”スレーブシリンダー・クラッチポジションセンサー・テンションスプリング”
などを取り外し、清掃しながら新品を組付けていきます。
スレーブシリンダー本体はフェラーリ専用工具を使用しての脱着が必要となります。
弊社では必要な専用工具など各種取り揃えておりますので、安心してお任せいただければと思います。
部品交換後は各部清掃しながら復元。
ミッション関連のエア抜きやクラッチのリセットを行いロードテストにて異常がないことを確認します。
クラッチ交換作業完了後は変速だけでなく、リバースに入らない不具合が出ないことを何度も確認し、
症状が出ないことを確認し、不具合の修理完了となりました。
クラッチ交換作業後はドライブレコーダーの取り付けもご依頼いただきましたので取り付けを実施。
弊社ではユピテルの指定店となっており、最新モデルはもちろん、指定店モデルもご用意しております。
前後タイプや360度タイプ、駐車監視機能付きなど、ご希望の機能がありましたら、お気軽にお申しつけください。
最後に各整備箇所を再度確認し、バッテリー充電など
お車のコンディションを整えお客様の元へお車をお返しさせていただきました。
この度もご依頼いただき誠にありがとうございました。